社会保険料の決定~残業が多いと保険料も増える
総務課の仕事は毎年3月から5月までは大変忙しいとされています。退職する社員や新入社員の手続き、新入社員教育さらに決算などで何かと仕事が増える時期です。従って残業が多くなりますが、残業が多いと1年間の社会保険料が高くなります。
さて、毎月の社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金保険)は標準報酬月額に保険料率を掛けて決められます。標準報酬月額とは、社会保険料を計算する上での基準となる「給料」のことです。実際に支給される給料とは違います。
社会保険料は実際に支給された給料をもとにして保険料を計算するのではなく、基準となる給料(標準報酬月額といいます)を決めておき、1年間(9月から翌年8月まで)標準報酬月額をもとにして保険料を計算するというルールです。
入社時には、今後予定される給料で標準報酬月額を決定します。たとえば、基本給が20万円、通勤手当が1万円だとすると、合計は21万円。標準報酬月額の等級表にあてはめると22万円の等級です。22万円に保険料率をかけたものが保険料で会社が半分負担します。本人負担は半分です。
ところが、給料は入社時と同じというわけではありません。変動するものですから、変更も必要です。そのため、毎年決まった時期に標準報酬月額を見直しすることになっています。見直しは7月に行い、4月、5月、6月に支給された給料をもとにして、9月からの保険料を決定します。(10月支給分の給与から変更)3ヵ月の平均を出すのですが、残業代も含めて平均を出し標準報酬月額を決定します。決定した保険料は9月から翌年の8月まで。残業が少なく給料が少ない月も同じ保険料を負担することになります。では保険料が高くなるメリットは。
病気やケガで会社を休み、給料の支給がない、あるいは少ないときには、健康保険から傷病手当金(健康保険からの休業保障)を受けられますが標準報酬月額が多いほど、受け取り額も増えます。また老齢厚生年金は、給料(標準報酬月額)やボーナス(標準賞与額)の平均で年金額を計算するので標準報酬月額が高いほど年金も増えることになります。
ちなみに負担を平準化するという観点から、現在は年間平均と4月から6月の平均を比較して、標準報酬月額に2等級以上の差が生じる場合は、年間平均額で標準報酬月額を決定してもよいことになっています。

